症例ー義歯が破折して食事が困難なので、何とかして欲しい。
90歳代の女性 義歯

義歯を落として、下の義歯が2つに割れたので、何とかして欲しいと来院されました。
確認して診ると、下の義歯の前歯部で、割れておりました。

義歯のなかで、総義歯は、破折した部位の修理は、基本、困難です。
理由は、義歯全体で、咬合力に抗しており、一旦、破折した部位を修理しても、その部位が弱いので、破折して来る場合が多いです。
義歯の新製の手順とポイントをお話をします。
1、概形印象です。概形印象とは、義歯作成する時に、既成のトレーで大まかな顎の型どりをします。

2、概形印象に、石膏を注入して、石膏模型を作成しました。

3、上記の概形模型から、上顎、下顎のトレーを作成して、患者様の顎堤に合うトレーを作成します。
これを個人トレーと言います。

4、個人トレーを使用して、患者様のお口の顎堤を正確な機能印象をします。
機能印象は、口腔周囲筋等の動きも印象面に記憶する印象です。
そのために、熱を掛けると溶けるコンパウンドを使用していきます。

5、個人トレーを使用して、患者様の口腔内の型どりをします。
まずは、トレーの辺縁を上記のイソコンパウンドで、正確に型どりをします。

つぎに、シリコン印象材で、顎堤を精密に型どりします。
上記のシリコン印象材で、下のように精密な型どりが可能です。


6、義歯の石膏模型上で、赤い色のロウとレジンで出来たロウ提を作成します。
これで、噛み合わせの位置や前歯の審美的な人工歯を決めていきます。

7、噛み合わせの機械を使用します。
患者様のお口の情報を三次元的に、噛み合わせの機械に移行する必要があります。
なぜかと言えば、技工士さんで、義歯作成してもらうために、正確な情報を伝える必要があります。
そのために、噛み合わせ機械に、患者様がデータを入れます。
下のように、フェイスボーとバイトフォークを使用して、噛み合わせの機械にデータを移行します。

さらに、
噛み合わせは、まず、ロウ提で、垂直的な位置である噛み合わせの高さを取ります。

つぎに、ロウ提によって水平的な位置である、前後左右のどの位置で噛むかを決めます。
そのための器材がゴシックアーチトレーサーを使用します。
下がゴシックアーチをロウ提に装着した状態です。


チェックバイトとは、顎の関節の角度を間接的に測る方法です。
先ほど、述べた噛み合わせの機械に個人の顎の関節角度を入力して、食事等の時の患者様の顎の動きを可能な限り再現できるようにします。
以上によって、噛み合わせの機械上で、患者様がその場に居なくても、患者様のお口の動きを可能な限り再現できます。
技工士さんが、噛み合わせの機械上で、人工歯を並べたりした義歯をお口に合うかどうかをチェックします。
チェックには、最初、新しい義歯が歯ぐきになじむように、上記のように、ロールワッテを噛んでもらいます。
約5分ほどです。
その後に、新しい義歯の噛み合わせを診るために、咬合紙を使用します。
赤く印記されているところが、上下の義歯が噛んでいるところです。


| 治療内容 | 義歯の破折により、食事が困難となりました。食事がスムーズにできる義歯を作成しました。 |
|---|---|
| 治療期間・回数 | 約3か月・9回 |
| 治療費用 ※自由診療となります。 |
総額:621,500円-(税込/検査・診断・処置関連を含む) |
| 副作用、リスク | 処置中:違和感、痛み、口内炎、食事困難 処置後:義歯がなじむまでの違和感、痛み、口内炎、食事困難、 |