前歯のカケ
40代女性 前歯が欠けた!
煮物のごぼうを食べていたら、前歯の以前治療部位が欠けてきた。
お口の中を拝見すると、左上の前歯が大きく欠けていました。
痛みはないが、応急的に前歯に仮にの歯を被せました。
このようなトラブルは多いです。
前歯のカケで来た場合の治療基準があります。前歯のカケの治療基準はこちらをご覧ください。
よく、被せるのを躊躇される方がおりますが、
以前治療部位が大きく、歯の角がなくなっていると、強度に弱い合成樹脂などの簡単な治療で対応しても、そのときは良いですが、
また、食事をすると欠けてきた言われる事が多いです。
これが、前歯は食事時などに、噛みちぎる時に1本の歯にご自分の体重の1/5ほど掛かります。
つまり、体重が40キロだと、8キロです。これはお米で考えるとかなりの重さです。
近い将来の事を考えると、しっかりとした、安定した冠を入れた方が、長持ちして歯の神経も守れるので、有利です。
以下の治療の流れをお話します。
目次
- 応急処置
- 印象とは、歯型を取ります。技工士さんが作成するためのデータを取ります。
- 模型とは、型どりした物に、石膏を流したものです。
- フェイスボーと言い、噛み合わせを移行する装置です。
- バイトとは、患者様の上下の噛み合わせを記録する事です。
- シェードテーキングとは、歯の色のデータを取る事です。
- 試適です。技工士さんから、完成前の状態できます。
- 最終冠セット前準備の処理剤使用です。
- 最終冠時のセメント
- 冠セット
- 術前と術後の比較です。
1、応急処置
前歯が欠けたのが、急な事なので、日々の生活に支障がないように、応急処置として、仮のプラスチック冠を入れました。
2、印象とは、歯型を取ります。技工士さんが作成するためのデータを取ります。
- 圧排糸というものを歯と歯ぐきの間に入れて、歯ぐきと歯との間を明確にして、型が取れるようにします。
- 型どりをするために専用のトレーに 印象材を盛ります。
- 型どりした状態です。歯ぐきと 歯との間が明確にとれています。
圧排糸を入れることにより、歯と歯ぐきの際を明確にする型どりが可能となります。
圧排糸を入れるには、手間が掛かります。
そのために入れずに型どりをする病院が多いです。
そのために虫歯、歯周病の再発率は高くなります。
3、模型とは、型どりした物に、石膏を流したものです。
模型を基に技工士さんは、冠作成をします。
下のように模型上で歯と歯ぐきの際が良く見えないと冠の不適合を起こし、虫歯、歯周病の再発を招きます。
歯と歯ぐきの際を明確にすることは、冠作成時に、冠の寿命である再発防止に多く左右されます。
4、フェイスボーと言い、噛み合わせを移行する装置です。
噛み合わせの機械にご本人の噛み合わせを移行しますが、このように正確さが重要です。技工士さんに正確なデータを送らないと、出来上がった冠は、
虫歯になりやすい、歯周病になりやすい冠が出来上がり、トラブルの基です。
5、バイトとは、患者様の上下の噛み合わせを記録する事です。
シリコンという素材を自院は使用しております。
この材質は、非常に正確に噛み合わせを再現できます。
6、シェードテーキングとは、歯の色のデータを取る事です。
デジタルカメラで撮影します。シェードガイドを入れて撮影するのは、色の基準が必要です。
患者様の周りの歯の色に合わせる事が自然な口元を再現します。そのために色の基準が必要です。
一般にこのような、撮影せずに、シェードガイドの色のみを技工士さんに伝える病院が多いです。
そのために、患者様の固有の色を再現できず、そこだけが浮いたいかにも、人工な歯になります。
周りのお口の歯の色に、正確に合わせる事は不可能です。
7、試適です。技工士さんから、完成前の状態できます。
試適では、上のように、色、形態、噛み合わせをみるだけでなく、冠がぴったり、歯に合っているかを見る事も重要です。
歯に合っていないとその隙間から、バクテリアが感染して虫歯、歯周病となります。
8、最終冠セット前準備の処理剤使用です。
処理剤は、歯の内面と冠の内面に塗布します。処理剤は、化学的に歯と冠を接着するものを使用しないといけません。
理由は、唾液などに長期的に溶けるものだと、冠の脱離、2次的な虫歯、歯周病を引き起こす原因になります。
処理剤を使用しないもしくは、3種類でなく、1種類のみの病院が多いです。
1種類だけだと、上記のトラブルが多い。
9、最終冠時のセメント
セメントは、冠と歯を化学的に接着させるものでなければいけません。
当院では、接着性のセメントを使用しています。
接着性のセメントは、冠と歯を化学的に接着させて、唾液によるセメントの溶解を防止します。
10、冠セット
冠のエナメルの透過度が周りの歯の透過度とよくあって自然な感じです。
このケースは、冠をセット直後に撮影しており、徐々に歯ぐきの炎症も引いていく事が予想されます。
11、術前と術後の比較です。
患者様は大変満足しており、口元の自然な感じが再現されて、笑顔も緊張しないで表情となりました。
治療内容 | 前歯の欠けてしまい、審美的・食事の面でも問題がありますので、セラミック冠を被せて、元の状態に近い状態に治療しました。 |
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治療期間・回数 | 約2か月・5回 |
治療費用 ※自由診療となります。 |
総額:150,150円-(税込/検査・診断・処置関連を含む) |
副作用、リスク | 処置中:違和感、痛み、口内炎、食事困難、仮歯の脱離 処置後:違和感、痛み、冠の脱離、セラミック部位の欠け |