症例ー虫歯の再発とセラミックインレーで修復
50歳前半の患者様です。
左下前歯の歯ぐきが腫れてきて痛みがあると来院されました。
検査の結果、重症な歯周病と虫歯がありました。
歯周病の基礎治療を完了して歯ぐきの状態が改善傾向です。
歯ぐきからの出血量も減少傾向なために、虫歯の治療開始しました。
以下、虫歯の治療で、特に重要な歯である、6歳で萌出してきた、奥歯の第二大臼歯の処置を行いました。
患者様にこの奥歯の第二大臼歯は、一番噛める一生残すことが必要な歯と説明して同意を頂きました。
そのために、詰め物も、変色、劣化のないセラミックで治療を望まれたので、セラミックを使用しました。
術前の状態です。
型どりー虫歯で感染した部位を除き、技工師さんに詰め物であるセラミックインレーを依頼する為の型をとります。
上の奥歯詰め物のセラミックインレー
下の奥歯詰め物のセラミックインレー
セット前準備ーエッチング剤
エッチング剤は酸です。歯の表面をエナメル質を一部、溶かして接着力を上げる処理剤です。
セット前準備ーサンドブラスターとセラミックプライマー
サンドブラスターは、微細な鉄の粉を高圧をかけて、補綴物内面に当てて、技工中についた、油や、唾液を除去する装置です。
これによって各段に詰め物が歯と接着してゆきました。
セラミックプライマーは、セラミックインレーとセメントをしっかり接着するための薬です。
セット前準備ーボンディング材を歯に塗布します。
ボンディング材は、歯の象牙質とセメント剤を接着を強固にする薬です。
ボンディング材は十分に塗布してから、乾燥させて、接着作用強化する事を期待します。
セラミックインレーをセットするための専用セメントが必要です。
専用セメントは、レジン系セメントです。
レジン系セメントは、従来のセメントと違います。
従来のセメントは、単なる機械的に詰め物と歯のすき間をふさぎます。
そして、嵌合力で詰め物が外れないようにします。
レジン系セメントは、その嵌合力に加えて、化学的結合作用があります。
化学的結合作用とは、歯の成分と、セメントの成分、セラミックの成分が化学的な結合して詰め物が外れないような力を発揮する作用です。
仮に、冠をセット後に外そうとしたら、この化学的結合作用の為に、従来のセメントでは、冠を簡単に外せていましたが、簡単に外す事は出来ないほどの
接着力があります。
セラミックインレーを、従来のセメントのセメントでセットすると、すぐに外れる事が多いです。
セラミックは、合成樹脂充填と違い、耐久性があり、破折しにくい、また、摩耗しにくいのが特徴です。
もちろん、変色がなく、安定した材質です。
患者様は、安心して、食事もでき、審美的にも満足させております。
治療内容 | 大切な一生残さないといけない奥歯が虫歯になりました。長持ちするように耐久性のあるセラミックで治療しました。 |
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治療期間・回数 | 約1か月・3回 |
治療費用 ※自由診療となります。 |
総額:120,000円-2本分(1本ー60,000円)(税込/検査・診断・処置関連を含む) |
副作用、リスク | 処置中:違和感、痛み、口内炎、食事困難、仮歯の脱離 処置後:違和感、痛み、セラミックの脱離、セラミック部位の欠け |