60代女性・下顎前歯破折

下顎前歯が破折しておりました。
原因は、かみ合わせが不安定でした。そのことは、全体的に噛み合わせを安定するような方向で処置をしております。その一環で破折部位を補綴（セラミック冠）で補修して行きます。
既に、型どりして技工士さんにセラミック冠を作成してもらいました。
今日は、最終的にセラミック冠をセットします。

仮のプラスチックを入れております。

仮のプラスチック冠を除去しました。

最終のセラミック冠です。透過度があり、レジンと違い、天然歯に色も近い状態です。

エアスケーラーで、支台歯に付着の仮セメント除去中です。

セラミック冠を試適中　歯肉へ冠の圧がかかっていないか、天然歯の歯列上にセラミック冠も並んでいないかを診ております。

セラミック冠と隣在歯と接触は、適正かをフロスで確認しました。問題無。

咬合を診ており、咬合紙で診て赤いところが接触している点です。

エッチング材です。歯の表面を酸蝕して冠が付きやすくします。

エッチング後に滲み止め材です。エッチング後にお水がしみる傾向があります。まず、滲み止め材を支台歯に塗布して水洗。

セラミックプライマーの歯側用です。歯とセラミック冠内面が化学的に接着します。

セラミックプライマーを歯に塗布しております。

セラミックと歯が機械的に接着するようにサンドブラスターを使用している状況です。セラミック冠内面に噴霧しております。

セラミックプライマーのセラミック冠用です。

セラミックプライマーをセラミック内面に塗布してセメントとセラミック冠が接着しやすくします。

セラミック用のレジンセメントです。練和して冠内面に流し込みます。

セラミック冠を歯にセットした直後です。

歯冠部のセメント除去のためにフロスを使用します。

同様に、内外側のセメント除去を探針して行っております。

セメントの除去が完了したところです。

順番に術前、試適、術後のレントゲン写真です。
試適は冠が隙間なく合っているか否かを診ており、合っていない不良治療だと虫歯と歯周病の再発頻度が上がります。つまり、歯の保存が厳しくなります。

術前、術後の写真です。

セラミック冠は、保険のプラスチック冠と違い変色はなく物性的に安定しております。
また、強度もエナメル質と同じ硬度です。保険のプラスチック冠はセラミック冠の10分の1ほどで破折しやすいです。
このケースはもともと破折が問題で、しかも審美も重要なので、セラミック冠がベストの選択です。
金属アレルギーの心配もありません。

費用

セラミック冠2本：143,000円（税込）×2本
※一連の形成、印象、セットまでの費用です。

施術の副作用

術前、術中、術後に冷水痛や咬合痛がたまに出ます。