親知らず治療
奥歯に18歳から20歳前後に生えてくる歯を親知らずと言われます。
親知らずは、20歳前後に生え始め、この時期に、歯ぐきの被さったところに細菌が溜まって歯ぐきが腫れたり、親知らずが最後に生えてくるために萌出スペース不足となり、横や斜めになるトラブルが頻発する事が多いです。
親知らずは綺麗に生えれば、必ずしも抜歯は必要ないと言われますが、正常なかみ合わせを維持するのに、障害になることが多いです。
しかるに、未来の10年先にトラブルを引き起こす可能性のある時は、早めに抜歯しておくことで、予防的に問題の原因から取り除いておくことが重要となります。
ここでは、親知らずを抜歯する際の手順や重要ポイントについてご説明します。
1 血管や神経の位置をレントゲンで確認
最初にレントゲン撮影を行います。
その結果、血管や神経の位置と親知らずの根の近接度合いをしっかりと確認を行います。
当クリニックでは、抜歯前に、必ず親知らずの状態を把握する為の検査を行うために、抜歯の安全性を十分に最優先してゆくことができます。ここで、神経に親知らずが近い場合には、親知らずで、感染している部位に影響がある部位のみを抜歯します。
つまり、歯冠部のみの抜歯をおこない、根はそのままにしておきます。
その根がまた、歯ぐきから生えてきたら、抜歯を検討します。
歯ぐきから生えてこない場合はそのままです。
2 表面麻酔と注射麻酔で痛みを最小限におさえる。
親知らずを抜歯する際の痛みがないように、通常は抜歯前に十分に麻酔注射を必ずに行います。
しかし、当クリニックでは麻酔を打つ際の痛みも最小限に留めるため、注射麻酔の前に可能な限り表面麻酔を行います。
また、麻酔注射は、なるべく圧がかからないように、ゆっくりと麻酔液をいれたり、電動麻酔器を使用して、痛みに対応するように配慮しております。
麻酔は、神経の基の部位に行うのが、効果的です。特に下の親知らずは、周りの骨が厚くて麻酔液の浸透しにく状況です。その場合は神経の大本に伝達麻酔を行います。
3 親知らずを抜歯する
歯と骨の間を繋ぐ、歯根膜(しこんまく)と呼ばれるワイヤーがあります。
親知らず抜歯の際には、抜歯専用の器具を用いて、このワイヤーを切断して、歯を抜歯します。
たまに、この歯根膜がなくなり、骨と歯が直接付着しています。これを専門用語で、癒着といいます。癒着していると抜歯が困難の場合もあります。
麻酔が効いているため、抜歯時の痛みは、全く感じないです。
ただし、もし痛みが出る場合には左手を挙げる等の意思表示を送っていただけると麻酔を追加します。
親知らずが骨の奥に埋まっている場合には、特殊なバーを使用して、丹念に骨を削合したり、歯を分割して抜歯を行う工夫をします。
4 糸で縫って出血を止め、治りを早くする。
親知らずを抜いた後は、抜いた部分の空洞が早くふさがるように、傷口を縫って小さくしたり、穴に止血用のスポンゼルというスポンジを入れて止血を促します。
麻酔の効果は
約2時間で切れてくる事が多い為に、痛みが心配な方は麻酔が切れる前に痛み止めの強い薬を飲んでいただきます。
5 ガーゼで圧迫止血する
出血を早く止めるために、ガーゼを噛んでもらいます。
この時、かさぶたが早く形成されるように15分~30分ほどガーゼを持続的に噛んでもらい、止血を試みます。
それでも止血しない場合は、糸で更に歯肉を縫合して止血をします。
血液をサラサラにする薬をのんでいる方は血が止まりにくいため、長めにガーゼを咬み、うがいを極力さけるように注意します。
また、糖尿病患者様は、感染しやすいで、抗生剤を通常の方より長く服用してもらって対応します。
6 翌日 チェックします。
翌日可能な限り、来院していただきます。血が止まらいとか、痛みが強いとか、縫合した糸が取れてないか、お薬の副作用でお腹の調子が悪くないかを確認して
対応します。
7 1週間後に抜糸 洗浄で終了
1週間すると、縫合した部位がかなり、治ってきます。縫った糸をとる必要があります。抜歯直後は糸で止血していくことは重要ですが。
この時期になると、
縫った糸は、お口のばい菌が付着して、感染源になりますので、この時期に取ります。
歯ぐきがほぼ治るのに、約2か月、その下の骨が再生するのに、約6か月ほど掛かります。