歯医者さんで処方される「痛み止め」ってどんなお薬?
抜歯の後に処方されたお薬が、風邪の時に処方されたものと同じだったという経験はありませんか?
風邪の炎症や発熱を抑えるお薬と同じものを抜歯後の痛み止めとして処方される、、、これは、珍しい事ではありません。
歯医者さんで、処方される痛み止めは、おもに2種類あります。
「痛み止め」といっても、鎮痛剤、消炎剤、解熱薬、解熱鎮痛薬などさまざまな呼び方がありますが
薬効としては、「解熱鎮痛消炎剤」に分類されています。
痛み止めは大きく、「オピオイド系鎮痛薬」と「非オピオイド系鎮痛薬」に分けることができます。
オピオイド系鎮痛薬は、全身麻酔時や、がんの痛み止めとして用いるのが一般的です。
一方、非オピオイド系鎮痛薬には、「解熱鎮痛薬」と「非ステロイド性抗炎症薬」があります。
これらは、鎮痛薬として歯医者さんで、一般的に処方される薬剤です。
① 解熱鎮痛薬ー解熱鎮痛薬は、普段「鎮痛薬」と呼ばれることが多いのですが、熱を下げる目的で用いられる時は「解熱薬」と呼ばれます。
痛みを和らげると熱を下げるの両方の作用があるので、「解熱鎮痛薬」と呼んでいます。
炎症を抑える効果はありません。
解熱鎮痛薬は、脳の中の痛みや熱を感じたり調整したりする中枢に働きかけるタイプのお薬です。
痛みに対しては、痛みの信号を伝える神経の通り道を鎮める事で、痛みを感じにくくさせます。
また、熱に対しては、脳の中にある「体温などを調整する視床下部に働きかけて熱を下げます。
ただし、このお薬は炎症で腫れている部分そのものには、ほとんど効きません。(おもなお薬・カロナール)
② 非ステロイド性抗炎症薬ー非ステロイド性抗炎症薬は、鎮痛作用のほかに消炎作用(腫れや赤みなどを炎症を抑える働き)解熱作用もあります。
非ステロイド性抗炎症薬は、おもに痛みの原因がある場所(末梢)に働きかけるタイプのお薬です。
シクロオキシグナーゼという体の中の働きを抑えることで、痛みを強くする物質の働きを抑えます。
結果、痛みが和らぎます。
ただし、脳の痛みを感じる中枢への作用はそれほど強くありません。
(おもなお薬 ロキソニン・ボルタレン)
どんな症状がある時に処方されるかというと、
歯医者さんでは、抜歯などの手術後の痛み、歯痛、歯が原因で生じた炎症の痛み、顎関節症などの痛みなどを軽減するために痛み止めが処方されます。
鎮痛作用、消炎作用、解熱作用は、つらい症状を取るためのものです。
ですので、対症療法とも言えます。
もし痛みや熱の原因となる細菌感染があれば、抗菌薬で原因療法を行います。
どの痛み止めを使用するかというと,炎症がなく熱や軽い痛みがある時は、解熱鎮痛薬が処方されることが一般的です。
このお薬は、胃腸障害などのリスクも少なく安全性が高いからです。
一方、外傷などや感染症などの炎症が原因の痛みには、非ステロイド性抗炎症薬が適しています。
このお薬は痛みの素になっている場所に働いて、腫れや炎症も抑えてくれます。
歯医者さんでは、歯ぐきや歯の炎症が原因となる痛みが多いので、非ステロイド性抗炎症薬が第一選択になる事が多いです。
痛み止め時の注意点として、服用に注意が必要な方がいます。
どういった方かというと、
●妊娠中、妊娠の可能性のある方
●消化器潰瘍のある方
●アスピリン喘息のある方
●他の薬を飲んでいる方

胃に負担をかけないために気をつけることは、
●できるだけ食後に飲む
●頓服(痛い時だけ飲む薬)は多量の水で飲む
●胃薬が処方された場合は一緒に飲む
胃の中では、プロスタグランジンと言う物質が血流を保ち、ムチンという粘液を分泌することで、
胃酸から胃の粘膜を守っています。
ところが、非ステロイド性抗炎症薬はこのプロスタグランジンの働きを抑えてしまうため、胃の防御機能が低下してしまいます。
その結果、胃潰瘍の原因となることがあります。
したがって、非ステロイド性抗炎症薬を服用する際には、胃に負担を掛けないように注意する事が大切です。
不明の折は、永田デンタルクリニックへ、遠慮なく、ご相談ください。