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昭和と違う!?う蝕の病因!!②

★う蝕原因菌の母子伝播は絶対に避けるべきなのか?

昭和の常識では、う蝕原因菌は「感染の窓」と呼ばれる生後19ヵ月~31ヵ月の期間に両親(おもに母親)から伝播すると言われていました。う蝕予防には、まず母子伝播を避けることと考えられていて、母子が食器を共有しないことなどにより、大人の唾液が幼児の口腔内に入らないようにすることがもっとも大事でした。また、両親のう蝕治療と口腔清掃により、う蝕原因菌の量を減らしておくことも大切です。

令和では、母親からの伝播がもっとも頻度が高いものの、両親からだけではなく祖父母、兄弟、そして友人からの伝播もあることがわかりました。一方、う蝕原因菌の伝播はないほうがいいけれど、ミュータンス連鎖球菌だけがう蝕を起こすわけではないことがわかったため、う蝕を発症させるすべての細菌種の伝播を防ぐのは難しいこと、そして、伝播しても食事指導やフッ化物の使用、適切なブラッシングで発症が予防できるため、それほど神経質になる必要はないという考えが広がっています。過度なう蝕原因菌の伝播予防は親子関係を損なう可能性があることも理由のひとつです。

鹿児島 歯医者 う蝕原因菌の母子伝播は絶対に避けるべきなのか?

★遺伝的にう蝕になりやすい人はいる?

う蝕発生の原因はスイカの4つの輪(歯の質、細菌、糖質、時間)とされていました。歯の質には、遺伝的な影響があると推測されていましたが、詳細は不明でした。今では、唾液中の細胞片に含まれるゲノム遺伝子の多型解析によって、う蝕のリスクに関与する遺伝子が多数報告されています。

鹿児島 歯医者 4遺伝的にう蝕になりやすい人はいる?

★口腔細菌叢はつねに一定?

口腔細菌叢は長い時間の流れの中で絶えずゆっくりと変化し続けていると考えられていましたが、いったん完成した口腔細菌叢の細菌種はそう簡単には変わりません。しかし、菌量の比は頻繁に変化します。たとえば、食事によって口腔内に入った発酵性糖質をう蝕原因菌が取り込み、酸を出します。すると、プラークが酸性となり、酸性が好きな菌(酸産生菌)が増殖し、酸性に弱いアルカリ酸性菌が減少します。そのため、プラークの酸性はさらに強まります。このように悪玉菌が増えて善玉菌が減り、プラークの病原性が高まる現象をディスバイオーシスと呼びます。

鹿児島 歯医者 口腔細菌叢はつねに一定?むし歯

★う蝕は治る病気?

削って詰める治療によって、う蝕は治ると考えられていました。治療が終わった後、昭和の歯科医院での決め台詞は「はい、治りましたよ。痛くなったらまた来てください。」でした。当時の常識は、「う蝕は治る病気であり、歯科医院は歯が痛くなったら行くところ」でした。しかし、現代ではどんな病気においても、病気の治療は原因を取り除くことです。それはう蝕治療でも同じで、開いた穴を詰めることは原因除去ではありません。う蝕の原因は酸を出す口腔常在菌です。常在菌とはつねにいる菌なので、口から追い出すことはできません。う蝕治療とは、う蝕ができる環境にならないように口腔内を管理することです。管理不十分だと、う蝕は起こります。だから、う蝕に完治はないのです。

鹿児島 歯医者 う蝕は治る病気?プラーク

★落としやすいプラークと落としにくいプラークに違いはあるのか?

ブラッシングで落としやすいプラークと落としにくいプラーク。あるいは、超音波スケーラーですぐ落ちるプラークと、なかなか落ちないプラーク。どこが違うんだろうと不思議に思いながらも、その違いはわかりませんでした。細菌が産生する菌体外高分子物質は、バイオフィルムのマトリックス(基質)として、微生物を包み込み、歯面に固く付着し、酸を内包します。ミュータンス連鎖球菌が作る不溶性グルカンもマトリックスの一種です。プラークがバイオフィルムと呼ばれるようになったのは、マトリックスの性質が病原性と関係があるとわかったからです。

なかなか落ちないバイオフィルムは、歯面に強固に付着できるマトリックスでできています。また、このようなマトリックスはバイオフィルム内への唾液の侵入を防ぎ、内部の酸が中和されないようにする一方、唾液中の発酵性糖質をバイオフィルムに取り込み、バイオフィルム全体に拡散させ細菌の栄養素にしています。マトリックスの研究は今後さらに進み、う蝕原性との関係がはっきりしていくと思われます。

鹿児島 歯医者 落としやすいプラークと落としにくいプラークに違いはあるのか?治療風景

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