口の中の病気・異常について②
今回は誰しもが気になる口臭とお口の中の乾燥についてです!
口臭症
1.口臭に分類があるの知ってた?
口臭は1998(平成10年)に治療の必要性を目的として口臭診断分類が構築をされました。その分類では、口臭症は真性口臭症、仮性口臭症、口臭恐怖症に大別されていて、現在では国際的な基準になっています。真性口臭症とは、社会的な容認限度を超える明らかな口臭を認められるものをいい、生理的口臭、口腔由来の病的口臭、全身由来の病的口臭にわけられます。生理的口臭とは器質的な変化や原因となる病気が認められないものです。口腔由来の病的口臭とは、口腔内の病気、器質的な変化、機能低下などによる口臭であり、原因には舌苔やプラークなどが含まれます。全身由来の病的口臭とは、耳鼻咽喉や呼吸器系の病気によるものです。仮性口臭とは、患者さんは口臭を訴えますが、社会的な容認限度を超えるような口臭は認められずに説明によって訴えの改善ができるものもいいます。口臭恐怖症とは、真性口臭症や仮性口臭症に対する治療では訴えの改善が期待できないものをいい、精神領域の症状が身体症状の一つとして現れるもの(心身症)や、統合失調症の初期症状にみられる対人恐怖の形をとるものなどがあります。
2.実態
口臭を主訴として受信した大学病院の初心患者490名の内約をみると、生理的口臭は31.8%・口腔由来の病的口臭は36.3%・全身由来の病的口臭は2.2%・仮性口臭症は27.6%・口臭恐怖症は2.0%でした。
3.要因
生理的口臭や口腔由来の病的口臭の主な要因は舌苔および歯周病です。口臭の発生部位としては、慢性歯周炎、壊死性軟組織疾患、口内炎など、あるいは舌苔やプラークなどの口腔内不潔物があげられます。これらの口臭の主要な原因物質は腐敗臭をもたらす揮発性硫化物です。
4.予防
口臭の予防としては、プラークや舌苔の除去が必要です。また、歯周病の治療は口臭の抑制にも通じます。そのほか、抗菌効果のある洗口剤を用いた化学的な清掃、塩化亜鉛洗口剤の利用、口腔の自浄作用の活性化などがあげられます。
口腔乾燥症
1.口腔乾燥症って?
口腔乾燥症(ドライマウス)は、唾液の質的な異常または分泌量の低下によって、口腔内が乾いた状態をいい、会話や嚥下に困難をきたします。重症化すると舌痛、味覚障害、口乾感による夜間の睡眠障害を引き起こすことがあります。
2.口腔乾燥症の分類
・全身性または代謝性のもの
口呼吸や下痢、過度のアルコール摂取、脱水症など
・神経性または薬物のもの
恐怖、興奮、ストレス、ノイローゼ、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、降圧剤など
・唾液腺事態によるもの(唾液腺の器質的変化を伴うもの)
唾液腺腫瘍、各種唾液腺、放射線照射、加齢変化、シェーグレン症候群など
3.実態
口腔乾燥症の滞在的な患者数は800万人とも3000万人ともいわれています。医療施設における報告では、口腔乾燥症は口腔粘膜疾患の数十%程度から十パーセント程度を占めるといわれています。たとえば、我が国の1総合病院における報告では、手術予定患者124症例の術前診査時に「口乾なし」が60症例、「口乾は気にならない程度」が50症例「口乾により不快である」が12症例「口乾が強く水を飲まずにはいられない」が2症例でした。
口腔乾燥症の原因の一つであるシェーグレン症候群に関する厚生省「シェーグレン病調査研究班」の1979年および1980年の報告によれば、人口10万人あたりの有病状況は、女性では29.5人、男性では1.5人でした。
4.要因
唾液分泌量が低下する原因としては、まず唾液腺の機能低下(放射線療法、腫瘍、外傷、シェーグレン症候群など)があげられ、次に神経伝達系の異常(服用薬の副作用、神経障害、加齢や食生活などによる生理的なもの)や唾液の蒸発(口呼吸)あげられます。そのほか、糖尿病、腎不全、ストレスなどさまざまな要因があります。
5.予防
日常の基本的な事項としては、規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動、ストレスの除去、適切な食生活など、局所的には口呼吸のを治す(口唇閉鎖や鼻呼吸の促進)などがあげられます。また、症状の緩和を目的に人口唾液や保湿ジェルを使用することもあります。
口臭やお口の乾燥が気になる方は永田デンタルクリニックにご相談だけでもどうでしょうか?口臭も乾燥も予防ができますよ!!!