歯ぎしりについて良く知っておりますか?
寝ている時の歯ぎしりは、自分では、気がつかないものです。
周りからの指摘で知る人も少なくありません。
就寝をともにする人から指摘を受ける歯ぎしりは周囲にも影響を及ぼします。
人から、いびきと同じように、就寝できないほどの音で大変だと言われることもあります。
その結果、人間関係を悪くする事に繋がります。
また、お口の中に悪影響となって現れることもあります。
歯ぎしりには「良い歯ぎしり」と「悪い歯ぎしり」があります。
ご存知ないと思いますので、説明させてください。
良い歯ぎしりとは、かみ合わせにとくに問題のない方での歯ぎしりで、大きな悪影響が出ることはないでしょう。
かみ合わせが問題ないと、歯ぎしりをしても、歯や歯ぐきや顎関節にストレスが係らずに、安定しております。
かみ合わせの診断は難しいですが、もっとも安全と考えられるのは、主に犬歯で、歯ぎしりをしていて、そのときに前歯も奥歯も上下の歯が接触しないような状態です。
悪い歯ぎしりとは、噛み合わせが悪いかたでの歯ぎしり、とくに奥歯で強く歯ぎしりをしていることを指します。
このタイプの歯ぎしりをしているとさまざまなトラブルが起きやすくなります。
以下のようなトラブルがよく起こります。
- 詰め物がよく取れる・破折する・起床時にあごの痛みやだるさを感じる。
- 知覚過敏がひどくなった。
- 歯のすり減りや欠け、ひび割れが起きる。
- 歯の根元がえぐれたように欠けている。これを楔状欠損といいます。お水がしみれば、知覚過敏と診断されます。
- 歯を支える骨の部分が盛り上がっている。これを骨隆起と言います。
- 頬の内側や舌に、歯の跡がついている。これを、咬傷と言います。
- 重症化すると歯の跡である咬傷は、ミミズのように形となり、奥歯から、口角までなります。
- 食いしばりで目がさめることがあるなどです。
いずれにしてもお口への影響などを診てもらうためにも、歯医者さんを受診することが大切です。
元々、歯ぎしりは、ストレスを発散のためにおこなうというのが、一つの考えです。
歯ぎしり自体が悪いのではありません。
以前は、歯ぎしりを止める為に、睡眠剤を服用する方法も考案されておりました。
これは、就寝している間、睡眠が浅くなる時に歯ぎしりをすることが分かっております。
睡眠剤を服用すると睡眠の深さが深くなり、歯ぎしりをしない事となる事を利用しております。
しかし、この方法だど、常に睡眠剤服用しなければなりません。
睡眠剤の常習化となり、副作用も大きいので、一般化しませんでした。
歯ぎしりを止めるという治療法はありません。お口への悪影響を最小限にすることは、できます。
良い歯ぎしりにするためにかみ合わせの治療を行っていきます。
また「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースを作成して、就寝時に装着することを推奨しています。
このマウスピースの構造は、病院によって大きく違います。
単なるかみあわせの間にマウスピースを入れるのみで、噛み合わせの事を考慮しない病院が多く、トラブルを解決していない場合が多いです。
当院では、良い噛み合わせへ治療として、マウスピース噛み合わせの面を作成しており、トラブル改善できております。
歯ぎしりを根本的に減らすために「認知行動療法」といって生活習慣の改善するため、歯ぎしりや食いしばりなど、顎関節症の原因となる習慣的行動を自覚して、
それを取り除くように行動するよう指導します。
その他、症状改善のため「薬物療法」を行ったりします。
これは、あくまで、薬で、痛みを一時的に抑えていく事での急性期への対処療法となります。
痛みがあったり、お口が開けにくいなど、日常生活に支障をきたしていたら、歯科医院へ受診をされて一度ご相談ください。