歯と遺伝とは、どんな関係があるのでしょうか?
歯と遺伝とは、密接に結びついているのではないでしょうか?
遺伝子「エクトディン」が歯の数や形をコントロールしているらしいことが、京都大学グループの研究で分かったと近年報じられました。
これは、歯も特定の遺伝子によって形作られていることが具体的に証明された研究成果と考えられます。
一般的な歯の数は、乳歯が20本、永久歯が28本で、親知らず4本を含めると32本です。
ただ、親知らずが生えてこない人も多く、そのほかの歯についても遺伝や生える環境などが原因で生えてこないことがあります。
親知らずが生えてこないのは、遺伝的に親知らずの芽がない方もおられます。
逆に、歯が過剰に生えるケースもあり、特に上あごの前歯の真ん中あたりに生えることが多いのです。
この場合に、既存の歯に影響がある場合があります。
既存の歯が、過剰な歯に押されて、正規の位置に既存の歯が生えてこない、もしくは、生えても、綺麗に並ばない、根が過剰な歯に押されて、吸収してしまう等です。
後方の親知らずは、顎が小さい方だと、綺麗に生えない、もしくは、完全に生えない場合もあります。
顎の形態も遺伝的な側面があります。
歯の形についてはも,人それぞれです。
歯の形態は100パーセント遺伝と言われます。
親の顔と子供の顔が似ている方が多いのと同じように、歯の形は、遺伝します。
昔から、古代のお墓を考古学見地でみる時が歯の形態は重要な判断材料となります。
埋葬されている何体のご遺体の血族関係を判断する必要がある場合に、遺体同士の歯の形態を比較します。
すると、血族関係がある方は、歯の形態が似ております。
また、昨今の地震等の天災で亡くなった方で、身元がはっきりしない方も、歯の形態を参考にして判断して行くことがあります。
遺伝的に極端なケースは、いわゆる巨大歯、矮小歯(わいしょうし)、二つの歯がくっついてしまった癒合歯や癒着歯があります。
巨大歯は、通常の歯の大きさより、はるかに大きい歯です。
また、矮小歯(わいしょうし)は、通常の歯より極端に小さい歯です。
遺伝は歯の形状や生え方に影響を与えるので、歯並びにも影響すると考えるのが一般的です。
発育期の歯列の矯正治療をする場合、最近は遺伝の影響を治療方針の検討項目の一つにするために、両親の口腔も診査・記録することがよくあります。
つまり、両親の口腔内の歯並びを診ると、発育期の子供の歯並びや顎の成長の将来像の予測ができます。
そのために、ご両親の口腔内の診査・記録は重要になります。
最後に、上記のように歯と遺伝は密接な関係です。
それを熟知して、私たちは対応していくことが、良き治療となります。
そのためには、遺伝をコントロールすることは困難ですが、過剰歯、歯並びの異常、歯の形態アンバランス等は予測して治療をしていくと
良き方向が見出すことができます。
そのためには、乳児期(1歳から)、もしくは、遅くても 幼少期(3歳から)の定期的な歯科受診(予防治療)が肝要と考えております。
定期的受診(予防治療)により、遺伝的に不具合があれば、早期治療で対応が可能となります。