PMTCの特徴って何！？

毎日行っているPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)はどのような意味があるでしょう？単に「歯磨きのプロが行う歯面清掃」だと捉えていませんか？

PMTCは”プロが行うセルフケア”ではなく、患者さんがセルフケア、歯科衛生士がプロフェッショナルケアというふうに役割分担し、リスク面に歯科衛生士がアプローチすることです。つまり、PMTCとセルフケアを組み合わせることで二人三脚でプラークが付着しにくい口腔内を維持することができるのです。

★PMTCはバイオフィルムを一掃することができます

PMTCの大きな目的は、汚れや着色を除去し歯面をただ磨くのではなく、「バイオフィルム」と呼ばれる細菌の膜を破壊し、剥がし落とすことです。バイオフィルムはたとえるなら排水溝のヌメリのようなものです。排水溝のヌメリがこすらなければ落ちないように、歯に棲みついたバイオフィルムは歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどでしか取れません。歯ブラシなどが届かないところのバイオフィルムを落とすのがPMTCです。

★PMTCで行う研磨は安全に配慮されています

PMTCで使うのは、回転式のブラシと汚れを落とすペーストです。ペーストは汚れを落とす力が強く着色の除去に適しているもの、汚れを落とす力が弱いものの仕上げに適しているものなどさまざまな種類があり、お一人おひとりの着色の状況などにより使い分けています。適正な回転数や当てる部位を見極めて行っていきますので、歯ぐきや歯面そのものを傷つけることはありません。

★PMTCで落とせる着色の種類・原因

着色があると、歯の表面にプラークが付きやすくなってしまいます。着色を除去するためには何が原因か把握しなければなりません。原因が分かれば、再付着を防ぐことができます。喫煙歴や毎日の食事、ご自身のセルフケア、使用している歯磨剤の種類などを一緒に振り返ってみましょう。厚みのる着色の場合はPMTCだけでは取りきれないため、他の器具を組み合わせて除去します。また、汚れではなく歯そのものの色が暗い場合もあるので、その場合は対応できません。

★PMTCだけでは歯周病、むし歯は予防できない

PMTCは歯周病、むし歯の原因となる細菌を除去することができます。ですが、これらを進行させるのは細菌だけではありません。たとえば、歯周病で代表されるのはタバコ、むし歯では食生活や唾液量・質が関連します。ですので、お口の健康を保つには、PMTCを受けていただくだけではなく、ご自身の生活習慣を見直すことも重要です。

PMTCは定期的に行う必要があります

PMTCは一度受ければそれでよいということではありません。バイオフィルムは、100日程度で成熟し、それは繰り返されます。そのため、一般的に３ヵ月ごとを基準に繰り返しPMTCで口腔内をきれいにします。もし３ヵ月に一度、定期的にPMTCを受けられたとしても、３６５日のうちのたった４日に過ぎません。割合は日数にすると1％、時間にするともっと少なくなります。ですので、定期健診も可能ならば１か月に一度を心がけましょう。また、PMTCだけではなくご自身でセルフケアを日頃から行っていただくことが重要です。セルフケアとプロフェッショナルケアを組み合わせることにより最大の効果を発揮します。

日常的に行うセルフケアや生活習慣には、患者さん自身が気付かない癖や傾向があります。自分では「やっている」と思っていても磨けていないことや良いと思っている習慣がリスクになってしまうことがあるのです。そのため、私たちと一緒に客観的に振り返り、その傾向に対して対策をともに考えましょう。口腔内を再評価し、口腔内が悪化しないように繰り返し予防策を講じていきます。口腔内や生活はつねに変化していくものです。定期的に通っていただき、その変化に対応していきましょう。