感染症ってなぁに?
感染症のなりたち
感染症とは、細菌、原虫、真菌、ウイルス、異常プリオンなどの病原体が体内に侵入して増殖することにより発症する疾患の総称です。
感染症は、人類の誕生以来、人類の生命.健康にとって最大の脅威であり、多くの人類の命を奪ってきました。ヨーロッパでは、14世紀半ばから起こったペスト(黒死病)の流行により人口の3分の1が死亡したと言われています。また、1918年からのインフルエンザ(スペイン風邪)の世界的流行により、世界中で5億人以上が感染し、その死亡者数は2000万人とも4000万人とも言われています。
医学の進歩や衛生水準の著しい向上により、多くの感染症が克服されてきた一方、新たな感染症の出現や克服されてきた感染症の再興などにより感染症は新たな形で今も人類に脅威を与えています。
1・感染と発病
感染とは、病原体が宿主の生体内に侵入して定着し、増殖または成長することです。感染の結果、宿主に病理的変化が生じ、何らかの臨床症状を示すことを発病(発症)と言います。このため、感染と発病は必ずしも一致はしないで、感染しても発病しない場合を不顕性感染(無症状感染、潜伏感染)といいます。また、不顕性感染のうち、他人への感染源になりうる者を保菌者(キャリア)といいます。
また、宿主が病原体に曝露されてから発病するまでの期間を潜伏期間といいます。潜伏期間は病原体の種類によりほぼ一定しているため、疫学調査や予防上の意義が大きいです。
2・感染成立の三要因
感染症が成立(発生)するためには病原体(感染源)、感染経路、宿主の感受性の3つの要因すべてそろわなければいけません。
➀病原体(感染源)
感染症の発生には病原体が必要不可欠で、病原体が宿主に侵入して感染を起こす能力を感染力といいます。一般に感染力の強い病原体は少ない量の病原体が宿主に侵入するだけで感染を成立しますが、感染力の弱い病原体はより多くの病原体が侵入する必要があります。感染した宿主を発病させる能力を病原性といいます。
病原体が宿主に伝染されるような状態で自然に生活・増殖している場所を病原巣と言います。一方、感染源とは感染の原因となる病原体が直接的にどこから由来したかをさします。したがって、感染源は、感染者や動物、土壌などの病原巣自体の場合が多いですが、病原体に汚染された食物・廃棄物・器具などのこともあります。
ヒトが病原巣となっている場合には、患者(顕性感染者)と保菌者があります。保菌者には、感染後まったく臨床症状を起こしていない健康保菌者、潜伏期間中で排菌する状態にある潜伏期保菌者、症状の回復後も排菌を続ける回復期保菌者があります。保菌者は排菌している自覚がない場合が多く、日常生活で多くの人と接触するため、危険な感染源として予防対策重視されます。
➁感染経路
病原体が病原巣から出発して、感受性のある新たな宿主に侵入するまでの道筋を感染経路といいます。さまざまな感染経路がありますが、それぞれ好発する感染症が異なるので感染症の種類に応じて適切な感染経路の遮断を行わなければなりません。
➂宿主の感受性
病原体が宿主に侵入しても必ずしも感染が成立するとは限りません。感染に関する個体の感受性は、免疫、遺伝、性、年齢、栄養状態などの諸条件により異なります。
感染症に対する個体の抵抗力は先天性免疫(先天抵抗力)と後天性免疫(獲得性免疫)分けられます。
⑴先天性免疫・・・生まれながらに持っている非特異的な抵抗力
⑵後天性免疫・・・免疫獲得の方法によって活動免疫と受動免疫に分けられます。
3・感染の流行
限られた集団において一定期間のうちに、同一疾患が通常に比べて異常に高い頻度で発生することを流行と言います。
感染症が発生したときは感染成立の三要因に沿って対策を考えていきましょう。
私たち永田デンタルクリニックでは感染予防の対策も行っています。もし気になる方がいらしたら来院お待ちしております。