キシリトールについて②
キシリトールは虫歯の原因をコントロールできる?
虫歯の原因は色々ありますが、その第1位はお口の中の虫歯菌(ミュータンス菌)です。この虫歯菌に対して、大きな影響を与えるのがキシリトールです。
お口の中には色々な菌が存在していますが、キシリトールはその中の虫歯菌(ミュータンス菌)を弱らせ、減少させてくれるチカラを持っています。この働きによって、お口の中に虫歯を作りにくい善い菌が増加して、虫歯を予防することが可能になるのです。
歯磨き習慣や食生活など、虫歯予防には色々な方法がありますが、そのなかでもキシリトールを摂取することは楽に、おいしく虫歯を予防できる方法なのです。
もちろん、キシリトールだけに頼り歯磨きを全くしなかったり、食生活が乱れ甘い物ばかり摂取したり、夜食や間食を頻繁にとると、虫歯の再発リスクは上がりますので注意が必要となります。しかしキシリトールは虫歯のコントロールに有効な手段であることは違いありません。
キシリトールのすごさ
①虫歯菌(ミュータンス菌)が減る
歯の表面に付着しているプラーク(歯垢)は虫歯菌の住み家になっています。キシリトールを摂取し続けているとプラーク中の虫歯菌はどんどん減少していきます。キシリトールを摂取していない人と虫歯菌の数を比べると、1年後で2.5倍、2年後で4倍の差がつきます。
②虫歯菌の質を変化させる
虫歯菌の仲間には、虫歯を作りやすい悪い菌と、虫歯をつくりにくい善い菌がいます。キシリトールには虫歯を作りやすい悪い菌を弱らせてくれる力があります。
③虫歯菌がプラークを作りにくい
普段、虫歯菌はプラークで生活しています。プラークがあるとほかの悪い菌も歯に付着しやすくなり、歯を溶かしていってしまいます。しかし、キシリトールをうまく摂取すれば、プラーク量をショ糖(砂糖)の半分以下に抑えることが可能になります。また、キシリトールによってプラークが歯に付着しにくく、剥がれ落ちやすくなることも分かっています。
④虫歯菌が酸を作れない
虫歯ができる最初のステップは歯が酸によって溶かされてしまうことです。虫歯菌(ミュータンス菌)は糖分から酸を作り出して歯を溶かしていきます。しかし虫歯菌はキシリトールからは全く酸を作ることができません。少ししか作れない ではなく、全く作れません。
⑤虫歯になりにくくなる
ミュータンス菌は虫歯のきっかけを作る細菌です。ミュータンス菌が減少し、質を変化させ、プラークと酸を作れなくなると、虫歯になりにくくなります。これは今までに行われた研究でも明らかになっています。キシリトールを食べていなかった人に比べると、キシリトールを摂取していた人たちの虫歯のなりやすさは4割以下という研究結果が出ています。