バイオフィルムて聞いた事はありますか?
バイオフィルムとは、直訳すると「菌膜」のことです。
全く聞きなれない言葉です。一般的に広く使用されていないです。
元々は、学問的な言葉です。私たち歯科医療でも、馴染みがない言葉です。
でも、最近、作られた言葉ではありません。
生物学では、昔から、細菌の増殖の折に使用されてきた言葉らしいです。
バイオフィルムは、細菌などの微生物が排せつするネバネバのスライム(粘状のもの)包まれた微生物の集合体です。
日常的には、台所、浴室の排水口のヌメヌメなどもバイオフィルムです。
歯の表面のプラーク(歯垢)もバイオフィルムの一つです。
フィルムに保護された微生物に、抗菌剤・抗生物質は十分には作用しません。
つまり、フイルムがバリアになっております。どうしても、抗菌剤・抗生物質の浸透を妨げる作用があります。
また、強固に付着しているので、歯ブラシや歯間ブラシ、糸ようじ等で完全に除去することは困難です。
適度な温度・湿度に保たれた最適の環境の中で微生物はさらに増殖を繰り返し、フイルムの厚みも増していきます。
そのためにフィルムの厚みは急速に増大することになります。
お口の中は、微生物が繁殖するには、適度な温度である36度前後、湿度は100パーセントです。
日本の季節では、梅雨時が近いです。生ものが良く腐ります。その状況の基では、細菌が繁殖しやすい事を証明しております。
良く、洗口剤等で、口腔内を綺麗というCMを見かけます。確かに、洗口剤に含まれる薬剤の濃度を上げていくと、菌が増えない状態、俗に静菌状態は可能です。
しかし、問題は、そのために、菌交代現象がよく、見られます。
その菌交代現象は、いつもは、おとなしい菌が強い菌がいなくなる事で、増殖して悪さをすることです。
増殖して悪さをするとは、お口の粘膜に、炎症が出やすくなり、口内炎などが、多発します。
重要な事は、バイオフィルムを除去・破壊することです。
バイオフィルム除去・破壊対策としては、毎日のブラッシングで厚みを最小限に抑えながら、
定期的に歯科医院で専門的クリーニングを受けて除去する方法(メンテナンス)が最も有効とされています。
歯垢、プラークという言葉は、テレビコマーシャルや歯科に関する書籍などでよく知られるようになりました。
しかし、これからは、その性状を表現するのに適切な用語として、「バイオフィルム」と呼ぶのが一般的になるかもしれません。
「バイオフィルムを除去・破壊して健康なお口で!」ーこれ、いかがでしょう。