コラーゲンを守って歯周病予防
歯ぐきも肌や髪と同様に、年齢とともに変化していきます。
美容に良いとされるコラーゲンですが、なぜコラーゲンを守ることが歯周病予防につながるのでしょうか。
歯ぐきの60%はコラーゲン
歯ぐきは、内側がコラーゲンで満たされた結合組織、外側が上皮組織で構成されています。コラーゲンは繊維状のたんぱく質で、組織や細胞をつなぎ合わせる役割があり、皮膚や骨、靭帯、血管、歯ぐきなどあらゆる組織を構成しています。
コラーゲンは年齢とともに減少する
コラーゲンは20歳頃をピークに、40歳で半分、70歳で10分の1に減少することもあるといわれています。これは年齢とともにコラーゲンを作り出す力が弱くなることが要因と考えられています。
歯周病とコラーゲンの関係
歯周病とは、細菌の感染によって歯の周りの歯ぐきや、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。歯ぐきに炎症が起きると、コラーゲンを分解する酵素が活性化し、コラーゲンが減少します。また、ハリや弾力のない衰えた歯ぐきは、上皮組織の細胞同士の結合がゆるんでいるため、細胞間に歯周病菌が入りやすい状態になります。そのため健康的な歯ぐきを維持することは、歯周病予防につながります。
健康な歯ぐきを維持するために
バランスの良い食事
体内でコラーゲンをつくるには、アミノ酸やビタミンC、鉄分が必要です。たんぱく質やビタミン、ミネラルは体内に蓄積しておくことができないため、日々の食事でたんぱく質やコラーゲン、ビタミンC、鉄分が含まれる食品を取り入れ、バランスの良い食事を心がけましょう。
歯ぐきのケア
健康で抵抗力の高い歯ぐきを維持するためには、唾液の力が必要です。唾液には消化を助け、お口の中を清潔に保つほか、虫歯や歯周病予防、老化防止にも役立つと言われています。加齢により噛む力が弱くなる、飲酒、喫煙などは唾液の分泌が減る一因です。よく噛むことに加えて、唾液腺のマッサージや舌の体操をして健康な歯ぐきを維持しましょう。
唾液腺マッサージ
①耳下腺マッサージ
指の腹を頬に当て上の奥歯あたりを奥から手前にゆっくりとまわす。(10回)
②顎下腺マッサージ
親指を顎の骨の内側の柔らかい部分にあて、耳の下から顎の下まで5カ所くらいを順番に押す。(5回)
③舌下腺マッサージ
両手の親指を揃え、顎の下から舌を押し上げるようにグーっとゆっくり押す。(10回)
舌の対体操
舌をできるだけ長く出して、上下、左右に、唇に触れるようにゆっくり動かす。