定期的に歯医者に行く必要はある?
痛みがなく、日々の歯磨きもきちんとしているから、歯医者に行く必要はない。そのように考えている方も多いのではないでしょうか。実際、日本歯科医師会が2022年に実施した調査によると、90%以上が歯や口の健康は欠かせないと考えつつも、半数以上が歯科医院で定期チェックを受けていません。ではなぜ、定期的な検診やメンテナンスを勧められるのでしょうか。
歯周病は自覚症状がない
歯周病とは、歯と歯ぐきのすき間に歯周病菌が入り込んで起こる感染症です。歯肉に炎症が起きたり、歯を支えている歯槽骨が溶けたりします。歯周病は”サイレント・ディジーズ(沈黙の病気)”とも呼ばれ、歯周病初期には痛みなどの自覚症状がないため、知らない間に進行してしまうことがあります。歯周病によって歯槽骨が吸収してしまうと、自然と元に戻ることはありません。歯を失う原因の多くは歯周病であり、歯周病は全身の健康に悪影響を及ぼします。
ブラッシングだけではすべての歯垢は除去できない
歯周病を予防するためには、歯垢の除去が欠かせません。歯垢(プラーク)とは、歯に付着する細菌や細菌の代謝物の塊です。歯垢1mgあたり約1億個の細菌が存在し、その細菌の中には虫歯菌や歯周病菌が含まれます。歯垢が付着したまま放置すると、虫歯や歯周病、口臭などを引き起こします。しかし、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)や歯並びの悪いところにたまる歯垢はブラッシングだけで除去することが困難です。
歯医者で定期健診を受けるメリット
「早期発見・治療」につながる
症状が出る前に、歯や歯ぐきの変化を発見できるため、早期治療につながります。虫歯や歯周病が進行してしまうと、歯を大きく削ることになったり、抜歯することになる可能性があります。早期発見し、治療の負担を小さくすることで健康な歯を保ちやすくなります。
「PMTC」で口腔環境が整う
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)とは、専用の器具とフッ化物入りの研磨剤を使用して、歯磨きで落とせない歯石や、磨き残した歯垢を中心にすべての歯面の清掃と研磨を行う方法のことです。磨き方の癖で清掃が不十分な箇所や、歯周ポケットの中などホームケアでは除去できない歯垢・歯石を歯医者でチェック、清掃することでより健康な歯を保ちやすくなります。
「個人に合わせた口腔ケア」の方法を知ることができる
歯並び、年齢、虫歯になりやすい人、歯周病になりやすい人などお口の中の状態は人によって様々です。お口の状態に合わせた口腔ケアの指導を受けることで、日々のホームケアでより歯垢の除去ができるようになります。