インプラントはケアが大切!!
天然歯と同様な噛み心地とスッキリとした口元、歯列の保持など、抜歯後の治療の一つとして定着しているインプラントですが、その優れた機能を十分に活かすためには、歯科医院でのプロフェッショナルケアと、毎日の患者さん自身が行うセルフケアがとても大切です。
インプラントの寿命を決める術後のケア
インプラントは歯科医療の中で、欠損部を補う技術では現在では最も先端的な技術です。天然歯と同様の噛み心地を実現し、欠損で生じる歯列のゆがみを防ぎ、さらに条件がよければ審美的にも十分な美しさをもたらしてくれます。そのために現在では多くの患者さんに施術され使われています。このインプラントは、施術前後の口腔内の細菌コントロールはもちろんのこと、術後の定期的なプロケア、患者さん自身の的確なセルフケアが不十分だと、その機能を失うことにつながります。
インプラントも歯周の疾患は起こります
インプラントの場合もきちんとしたプロケアとセルフケアを怠れば、天然歯の「歯肉炎」=インプラント周囲粘膜炎や、さらに進行した「歯周炎」=インプラント周囲炎になります。これらの疾患は天然歯の歯周疾患に比べ、痛みが感じにくく進行が早いという特徴があります。インプラント周囲粘膜炎はポケットの深さが3~4ミリ程度、炎症は粘膜のみでプロービングで軽い出血があります。さらに進むとインプラント周囲炎となり、インプラントを埋め込んだ骨が破壊され、最終的には抜け落ちてしまいます。
インプラントのメインテナンスには必ず診査をします
長期にわたってインプラントを健康に使用するためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが不可欠です。このときにインプラント周囲組織の状況を的確に判断するためにプロービングで経過観察をします。
セルフケアでは歯間ブラシで出血の有無の確認を
インプラント周囲炎のような炎症の有無をチェックするためには歯間ブラシを使用します。歯間を一箇所ずつチェックできる歯間ブラシなら、どの部位から出血しているかが一目でわかります。患者さん自らが、「おかしい」と気づくことはセルフケアにとって大きな進歩になります。
☆ポイント☆
1、歯ブラシは、適切な圧力で確実に周囲粘膜に当たるように
2、歯間ブラシは「やりすぎ」に注意し、やさしく磨く
3、前歯部などインプラント頚部が深い場合はフロスを使用する
4、奥歯の遠心や歯間空隙が狭い箇所にはワンタフトブラシも有効です
インプラントは天然歯の歯周病に比べて、歯周トラベルによる痛みを感じにくいという特徴があります。インプラントの歯周疾患を放置しておくと炎症が悪化します。炎症がある場合は、歯科医院でのプロケアが必要なのでメンテナンスを受けるようにしましょう。また、日頃からセルフケアやメンテナンスを定期的に受けることがインプラントを長く持たせるための秘訣です。