歯周病の人はインフルエンザにかかりやすい?
例年12月から3月頃に流行するインフルエンザですが、歯周病菌がインフルエンザの感染力を高めることが分かっています。
歯周病とインフルエンザにどのような関係があるのでしょうか?
インフルエンザとは
インフルエンザはインフルエンザウイルスを病原とし、重症化する危険性のある感染症です。
インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザは、高熱や頭痛、関節痛など、全身に強い症状がみられるのが特徴です。高齢者や呼吸器、心臓に持病のある方は、インフルエンザや持病が悪化しやすく、死に至る原因となる場合もあります。また小児では、中耳炎や熱性けいれんを併発して重症化したり、まれに急性脳症をおこして死亡することがあるので、十分に注意することが必要です。
インフルエンザにかかる仕組み
細菌とウイルスでは発症の仕方が異なります。細菌は粘膜に付着するだけで炎症を起こし、のどの痛みがでたり熱が出たりします。ウイルスは粘膜に付着しただけでは症状は出ません。細胞内にウイルスが侵入することで発症します。
インフルエンザウイルスの表面には「HA」と「NA」という2つの酵素があります。HAの働きで細胞内に侵入し、増殖したウイルスが広がるのをNAが助けることで感染が拡大します。
- 感染:ウイルスなどの病原体が体内に侵入し、増殖すること
- 発症:増殖したウイルスなどの病原体により、症状が出ること
歯周病菌がインフルエンザウイルスの感染力を高める
歯周病菌がもつタンパク質分解酵素は、インフルエンザウイルスの酵素であるHAを活性化させるため、インフルエンザにかかりやすくなります。また、インフルエンザウイルスのみでの感染よりも、歯周病菌が加わった場合のほうが感染が拡大することが分かっています。
インフルエンザ予防法
基本の予防
インフルエンザは感染してる人の咳やくしゃみなどの飛沫から感染します。
- インフルエンザワクチンを接種する
- 人の多い場所への外出を控える
- 外出時にはマスクを着用する
- 手洗い、うがい
- 咳エチケット(咳をするときには手ではなくて、マスクやハンカチなどでおさえる)
体力や免疫力を高めましょう。
- 十分な休養とバランスの良い食事をとる。
歯磨き
☆:歯周病菌は、薬や体の免疫細胞では撃退することができません。そのため歯垢ごと歯周病菌を取り除く必要があります。日々の歯磨きやフロスなどのケアと合わせて、歯科医院で歯石除去や清掃不十分な箇所をクリーニングして歯周病対策をしましょう。