丈夫な歯はマイナス1歳から!
歯はお母さんのお腹の中からすでに育ち始めています。丈夫な歯を育てるために、適切なケアを行いましょう。
歯の芽は妊娠初期にでき始める
妊娠7週から10週ごろに乳歯の芽となる歯胚ができ始めます。また、妊娠3ヶ月半ごろには永久歯の歯胚ができ始めます。これらの歯胚は歯槽骨の中で発育し、やがて歯として生えてきます。丈夫な歯をつくるためには、お母さんが健康であることはもちろん、バランスの取れた食生活をおくることで、おなかの赤ちゃんに栄養を与えてあげることが大切です。
積極的に摂りたい栄養
- カルシウム:骨や歯、血液、神経組織などをつくるうえで大切な栄養素
- タンパク質:歯胚をつくるのに欠かせない栄養素
- リン:歯を硬くするために必要
- ビタミンA:歯のエナメル質に重要な栄養素
- ビタミンC:エナメル質の下にある、象牙質に重要な栄養素
- ビタミンD:カルシウムの吸収を促進する
妊娠中の口腔トラブルは胎児にも影響を与える
妊娠中はお口のトラブルが起こりやすい状態になります。妊娠した女性が歯周病に罹っていると、早産や低体重児出産のリスクが高まることが分かっています。歯周病菌が胎盤を通して影響するのではないかと考えられていて、そのリスクはタバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高いといわれています。
口腔トラブルが起こりやすくなる要因
女性ホルモンの影響
エストロゲンという女性ホルモンは歯周病菌の増殖を促し、プロゲステロンというホルモンは炎症のもとであるプロスタグランジンを刺激します。妊娠中にこれらのホルモンは、月経時の10~30倍になるといわれていて、そのため歯周炎が起こりやすい状態になります。また、急激に女性ホルモンが増加すると、プレボテラ・インターメディアという歯周病原性細菌が増殖しやすくなります。それにより、唾液がネバネバしてお口の中を洗い流す機能が低下し、歯肉の出血や炎症が起こりやすくなります。
つわり、食事の影響
つわりのときは、ハブラシを口の奥にいれると吐き気がこみあげてくる人や、空腹の時に吐き気を感じる人もいます。そのため、歯磨きをできなかったり、奥歯の清掃が不十分だったりと口の中が不衛生になります。また、食事の回数が増えると口腔内が酸性に傾く時間が長くなり、虫歯になりやすくなります。
口腔ケアのポイント
- つわりの時は気分の良いときに、奥が磨きやすい小さめの歯ブラシを使用してできるだけ磨きましょう。
- 歯磨きができないときは、ぶくぶくうがいや、洗口剤ですすぐなど無理のない範囲で行いましょう。
- 食事や間食の回数が増すので、口腔ケアをこまめに行いましょう。
- 体調が落ち着いたら、歯磨きの習慣を戻して歯垢を落とすイメージでしっかりと磨きましょう。