顎関節症の予防
顎関節症は、開口時に音がしたり痛みがあるなど、何らかの異常が生じる病気です。
20歳代の若い女性に多くみられます。たとえ自覚がなくても、顎関節症になってしまってる人が非常に多いです。
発症には生活習慣が大きく関わってると考えられます。
顎関節に軽い炎症が起こるだけで嚙み合わせが変わってしまい、歯の当たり具合がおかしくなります。嚙み合わせがおかしいと感じた時はその原因が何なのかを追求して症状と原因を取り除かなくてはいけません。歯を無駄に削ってもらうのは避けましょう。
1、顎関節症の兆候
■ 口を大きく開けられない(開口障害)
■ 顎が痛い(関節痛)
■ 顎が疲れやすい(筋肉痛)
■ 顎を動かすと音がする(関節雑音)
2、発症のリスク
□ 周りの人から「歯ぎしりをしてる」と言われる。
□ 気が付くと歯を食いしばっていることがよくある。
□ 食事の際に左右どちらか決まった方で噛んでいる。
□ 頬杖をつく癖がある。
□ 寝るときはうつ伏せが多い。
□ 夜ぐっすり眠れない。
□ ストレスを感じる事が多い。
□ 物事に対して神経質になることが多い。
原因は、主な物は
元々、かみ合わせが不安定な事です。そのために顎の関節、および周囲の筋肉にストレスが係り、症状がでます。
その他の要因は以下に示しますが。
あくまでも、かみ合わせが悪い状態が背景にあり、顎関節症を悪くする要因と考えてください。
◆顎にかかる過剰な力◆
顎関節症の患者さんの多くに共通してみられるのが”歯ぎしり”と“食いしばり”です。
寝ている時や仕事に集中している時に無意識にしている人が多いので、本人は気が付いていないことがほとんどです。
音のする歯ぎしりは20%、音のしない歯ぎしりは80%程度です。
自覚は無くても、歯ぎしりによる歯のすり減りが見られるケースも多いです。
◆精神面からの負担◆
過剰なストレスも原因の一つです。
仕事や子育て、家庭、人間関係などでストレスを抱え、精神的な緊張を強いられると、無意識のうちに食いしばりをしてしまい、肩や首・顔の筋肉を過度に緊張させてしまいます。
そして睡眠障害も引き起こし、睡眠中の食いしばりや歯ぎしりにつながります。
◆習癖による負担◆
日常の習癖、「偏咀嚼」「うつ伏せ寝」「頬杖」も顎関節症の原因になる事があります。
例えば、いつも片側の歯だけでものを噛む偏咀嚼、寝るときにうつ伏せで寝るうつ伏せ寝、無意識に頬杖をつくなど、日常の習癖も筋肉や関節に負担を蓄積させることになります。
治療方法
1、認知行動療法
これまで上記で挙げた顎関節の原因となる習慣的行動を自覚して、それを取り除くように行動しましょう。
そのために、治療に参加し、日常生活の中でもセルフケアを心がけましょう。
一時的な処置ですが。
①顎を安静にする。
顎の力を抜き、上下の歯を離しておきましょう。
②負担をかけない
食事中や会話中に痛くなるほどに顎を動かさないように、時々休ませましょう。
③筋ストレッチ
軽く開口し、約5秒保持して血行を良くしましょう。
2、スプリント療法
診査診断、初期治療に使用します。
スプリントやマウスピースと呼ばれる装置を歯科医院で作ってもらい、寝る時やホームワークの際に装着することによって歯ぎしりの弊害を防止できます。
3、薬物療法
一時的な処置です。関節に炎症が起こってるときは薬で炎症を抑え、痛みを鎮めます。
4、本格的なかみ合わせ治療
- 矯正歯科で歯を適正な位置に誘導して、顎にストレスが係らないようにする方法
- 補綴治療によって、歯のかみ合わせを適正な位置に補正して顎にストレスを掛けない方法
- 上記の2つを合わせて行う方法
以上が顎関節症のお話です。
顎関節症は痛みが治まっても、顎が関節変形を起こします。早めの対応が肝心です。
トラブルが出でお困りの方やご心配の方は、当クリニックのお気軽にご相談ください。
スタッフ一同、お待ちしております。