歯の健康は元気のもと言うけど、本当ですか?
健康な歯で健やかな成長を
歯の大切な機能の1つに咀嚼があります。乳幼児期は、母乳から離乳食、幼児食と変化していく中で咀嚼を覚えていく時期です。この時期に歯が健康でないとしっかりとした咀嚼ができない(柔らかい物しか食べないなど)、さらには、食べる事が楽しくないと思うなど、子どもの健やかな成長を阻害する要因になることもあります。
永久歯の生え始めの時期は、乳歯と永久歯が混在するため、歯列が複雑になるので歯が磨きづらい状態となります。さらに、歯並びが悪いとプラーク(歯垢)がたまりやすく、むし歯になりやすくなります。また、乳歯だけではなく、生え始めの永久歯は歯の表面の石灰化が十分でないため、むし歯になりやすく、進行も早くなります。
むし歯があったり、噛み合わせが悪い歯並びでは、きちんと食べ物を噛めなくなるために、食習慣やあごの発達などに大きな影響を与えます。また、歯並びがわるいという劣等感から消極的な性格になり、社会生活に悪影響が生じることもあります。そのため、乳歯・永久歯を健康な状態に保つことは、子どもの心と体の健やかな成長には大変重要なことです。
噛むことの効用
噛むことは、体にとって良いことがいっぱいあります。まずは一口で30回を目標に、よ~く噛んで食べましょう。30回は難しいなと思ったら、いつも噛んでいる回数にプラス5回、10回・・・と少しずつ増やしてみましょう。
よく噛むことの効果として、「ひみこの歯がいーぜ」という言葉があります。ひみこは、約2000年前の弥生時代に生きた人です。現代の一回の食事で噛む回数は、約620回ですが、卑弥呼の時代は約4000回といわれています。
「ひ」肥満防止
よく噛んで食べることで、脳が満腹だと感じやすくなり食べ過ぎを防いでくれます。
「み」味覚の発達
噛むことで、食べ物の味がよくわかるようになり、味覚が発達します。
「こ」言葉の発音はっきり
よく噛むと、口の周りの筋肉が発達し、はっきりとした発音ができ、表情も豊かになります。
「の」脳の発達
脳に流れる血液の量が増えて、記憶力がアップするなどのよい効果があります。
「は」歯の病気予防
だ液が多く出ることで、歯が細菌などから守られ、むし歯や歯周病を防いでくれます。
「が」がん予防
だ液の中には、食べ物の中に含まれている、細菌やがんを起こす物質を減らす効果があります。
「い」胃腸快調
だ液は、食べ物を分解する消化液の役割もあり、胃腸への負担が軽くなります。
「ぜ」全力投球
力いっぱい運動をするためには、よく噛む力(歯を食いしばるための力)は欠かせません。