高齢者に多い「歯の根面のむし歯」ご存知でしょうか?
歯の根面もむし歯になるんです!
以前とは異なり、高齢になっても多くの歯を残せる人が増えてきました。
しかし、その一方で「歯の根面のむし歯」が増えていきます。歯周病などにより歯ぐきが下がると、今まで歯ぐきに隠れていた歯の根面が露出していきます。
この部分にできるむし歯を「根面むし歯」といいます。進行すれば歯の噛むところ(歯冠)がむし歯になっていなくても根元から歯が折れてしまうこともあります。
ある研究では、25歳以降にできたむし歯の大多数が、この根面むし歯であると報告されています。
根面むし歯は進行すると、せっかく残せていた歯を失ってしまうことにもなりかねず、御高齢の方には特に注意を払っていただきたいむし歯です。
高齢の方に根面むし歯が多い理由
歯を守る唾液が減少する
歳を重ねると唾液の分泌される量が少なくなったり、持病の薬の副作用で唾液が出にくくなることがあります。薬で問題になるのは、高血圧、精神安定剤等です。
診察前にできれば、わかると、内科、精神科の先生に問い合わせすると、診察、処置がスムーズです。
唾液が減ると飲食後に細菌の出す酸を中和するのに時間が掛かったりして、むし歯になりやすくなります。
歯ぐきが下がっている人が多い
根面むし歯は歯ぐきが下がって、歯の根が露出しないかぎり起こりません。歯ぐきが下がる原因の最もたるものは、歯周病です。
高齢な方ほど、歯周病になっている場合が多いです。
お口のまわりの筋肉が衰える。
舌や唇など、お口の周りの筋肉が衰えると、お口の中全体に唾液が行き渡りにくくなり、唾液の流れも悪くなります。
その結果、食べかすなどがお口に残りやすくなります。
身体機能が低下する。
根面は歯ブラシを当てるのが難しく、プラークが溜りがちです。加齢に伴い手を細かく動かしにくくなると、
プラークを落とすのが更に難しくなっていきます。
どうやって予防する?
丁寧な歯みがき
プラークをきちんと除去できるように、ご自身に合ったセルフケアの方法を歯科医院で教えてもらいましょう。
部分入れ歯を使用している方は、バネのかかっている歯に汚れが残りやすいので、注意してみがくようにしましょう。
フッ素の活用
根面むし歯にもフッ素は有効です。フッ素入りの歯みがき剤に加え、フッ素洗口液も併用するとより効果が期待できます。
定期的な歯科健診・メンテナンス
根面むし歯は、早期発見、早期治療、メンテナンスが大切です。メンテナンスでは、根面が酸に弱いので、高濃度のフッ素を塗布します。
また、歯ぐきが下がって根面が露出しないように、若いうちから、歯周病を予防していくことも大切です。