歯みがきをするタイミングとは！

歯みがきは1日3回が主に基本とされていますが、その中でも歯みがきを行う「タイミング」にも適切なタイミングがあります。

食後すぐの歯みがき

歯みがきは食事の後の習慣として行う方は多いかと思います。これは正しい歯みがきのタイミングです。食事の後、歯の隙間などに残った細かい食べカスは時間をおくと歯垢（プラーク）として繁殖していきます。歯垢は虫歯や口臭の原因となるため、虫歯や歯周病を防ぐためにも食事の後すぐに歯みがきをすることが推奨されています。

しかし、「食事後すぐに歯みがきをすることは歯に良くない」という話を耳にされたことのある方もいるのではないでしょうか。近年はテレビなどでも「歯みがきは食事の30分後が適切」という情報が発信されていることがあります。これは、食事のすぐ後は食べ物の熱や酸によって歯の表面が柔らかくなっていることがあるため、その上から歯みがきを行うと歯のエナメル質を傷つけてしまう可能性があるという理由のためです。

歯の先端が透けたような感じやギザギザとした感じになることを「酸蝕症（さんしょくしょう）」と言います。歯は一番外側の表面がエナメル質という層で覆われています。エナメル質は酸や強いブラッシングなどで溶けたり傷ついたりしやすい性質があります。エナメル質が失われていくと、歯の先端が透けたような感じに見えたりする見た目的な面だけではなく、歯の黄ばみやしみる症状の原因となったりすることもあります。歯科医院でフッ素塗布を行ったり、自宅で使用する歯みがき粉などをフッ素濃度の高いものを使ったりすることでエナメル質を強くし、予防することができますが一度溶けたエナメル質は元に戻すことはできないといわれています。

酸によって溶けて柔らかくなった状態の歯をすぐにゴシゴシと磨いてしまうとエナメル質まで傷つけてしまう可能性があるため、食後は30分以上空けてから歯みがきするのが良いと言われるようになったと考えられます。食後は虫歯予防の観点ではすぐに歯みがきを行うことが良いですが、酸蝕症が進行している方は食後30分空けてから歯みがきが適しています。

1日何回歯みがきをすればいい？

歯みがきは基本的に朝・昼・晩の3回は必ず行うようにしましょう。

朝は時間に余裕がある場合は、起床後と朝食後に2回歯みがきを行うことをおすすめします。寝ている間はお口の中で菌がもっとも繁殖しやすいと言われているため、起きてすぐの歯みがきはとても重要です。そして、朝食後も食べカスを取り除くために歯みがきは必ず行うようにしましょう。

そして、1回の歯みがきの時間は長すぎても短すぎても良くないため、3分を目安に入念に磨くようにしてください。また、テレビやスマホを見ながらの歯みがきは磨けているつもりでもきちんと磨けていないことがほとんどです。ながら磨きは無意識にゴシゴシと強く磨きすぎて歯や歯茎を傷つけている場合もあります。自分自身の歯のためにも、鏡を見て優しくしっかりと歯の1本1本を磨くように心がけましょう！

しかし、外出先や仕事などで忙しくて歯みがきの時間を確保できない・・・という場合もあるかと思います。そのような場合、軽く磨いたりうがいやマウスウォッシュで済ませたりすることがあっても夜寝る前だけはしっかりと歯みがきをするようにしてください。寝ている間はお口の中が乾燥して虫歯や歯周病になるリスクがとても高まります。可能であれば、夜の歯みがきの際は歯みがきに加えてフロスや歯間ブラシを使用して歯と歯の間などの細かい部分まで、より徹底的に歯垢を除去すると効果的です。

歯を長く健康に保つためには、日々の歯みがきがもっとも大切です。歯みがきの仕方や歯ブラシの選び方など、疑問やご不安なことがありましたらぜひ当院へお気軽にご相談ください。