口呼吸はなぜ悪い?
呼吸には、鼻から空気を取り入れる”鼻呼吸”と、口から息を吸い込む“口呼吸”があります。鼻呼吸と口呼吸は何が違うのでしょうか?
細菌やウイルスをブロックする鼻呼吸
吸い込む空気には、ほこりや細菌、ウイルスなどが含まれています。鼻には、そのほこりや細菌、ウイルスをブロックする機能があります。
- 鼻毛
鼻毛がほこりをブロックすることで、ほこりに付着している細菌やウイルスの侵入を防ぎます。
- 粘液
鼻の粘液がウイルスや細菌をからめ取ることで、ウイルスや細菌が痰(たん)と共に排出されたり、胃の中で胃酸に無害化されたりします。
- 温度・湿度
鼻から吸い込む際、空気は体温に近い温度まで温められ、80%程加湿されます。これによりウイルスが繁殖しにくい環境となります。
口呼吸のデメリット
鼻呼吸とは違い、口呼吸は空気をそのまま取り込むため、肺の免疫力低下や感染リスクを高めます。また、様々な口腔内のトラブルを引き起こす原因となります。
虫歯・歯周病・口臭
唾液は口腔内を健康に保つ働きをしています。
・口の中の汚れを流す
・口の中を中性に保つ
・細菌の繁殖を抑える
・再石灰化(酸によって成分が溶け出たエナメル質の表面を修復する)
しかし口呼吸によって口腔内が乾燥すると、唾液が行き届かず虫歯や歯周病、口臭を引き起こしやすい状態になります。
歯並びが悪くなる
歯には、内側から舌による圧力がかかり、外側から唇や頬の筋力による圧力がかかります。この圧力が均衡している状態で、顎や歯並びは正常に発達します。しかし、口呼吸が続くと歯にかかる外側からの圧力が弱くなるほか、口周りの筋力が衰えてしまい、出っ歯や口が閉じにくくなるなど咬合に問題が生じます。
口呼吸の原因
ではなぜ口呼吸になるのでしょうか。鼻炎や筋力低下、歯並びなど様々な原因が考えられます。
鼻づまり
鼻がつまると鼻呼吸が難しくなるため、口呼吸せざるを得ません。鼻炎やアレルギーなどでこの状態が慢性化すると、口呼吸が癖になってしまう場合があります。
口周りの筋力低下
噛む回数や口遊び(口笛、風船、シャボン玉など)が減少すると、口周りの筋肉が低下します。下顎を持ち上げる筋力、唇を閉じる筋力が足りないと口が開いた状態となり、口呼吸につながります。
対策
- 口呼吸用のテープを貼る(鼻が詰まっている状態では使用しないこと)
- 口周りの体操 →あいうべ体操など
あいうべ体操
「あー」「いー」「う―」「べー」と大きく動かす。これを1日30セットを目安に行う。