フッ素の適正濃度について
フッ素についての知識をどのくらいお持ちでしょうか。
一般的に歯科医院で取り扱ってるフッ素には次のような効能があります。
1,歯の質を強化する。
2,歯の表面を守るエナメル質を酸に溶けにくくする。
3,虫歯の抵抗力を高める。
当院では、歯科予防を重視してるため、特に15歳までの患者様方には定期的なフッ素塗布に取り組んでおります。
お口の状態によっては16歳以上の方や高齢者の方々にも定期的なフッ素塗布が必要になることもあります。
フッ素入りの歯磨き粉によるセルフケアも可能です。
しかし、フッ素には大量摂取による身体への害もあるので、害を及ぼすフッ素濃度と症状をお伝えしていきます。
2~5mg/kg ⇒⇒⇒ 悪心、嘔吐、下痢等の消化器症状
5~10mg/kg ⇒⇒⇒ 不整脈
32~64mg/kg ⇒⇒⇒ 致死量
そこで、歯科医院で患者さん方に扱うフッ素や歯磨き粉に含まれるフッ素を誤って飲み込んでしまった場合はどうなのかと言えば、問題ありません。
何故なら、いずれもフッ素濃度を数倍に薄めてるため、一度のフッ素塗布やフッ素入りの歯磨き粉によるブラッシングで何度飲み込んでしまっても、中毒量には達成しないのです。
歯磨き粉に例えると、1450ppmの歯磨き粉を13.79gほど飲み込んでしまった時に初めて中毒量に達成します。
1450ppmのフッ素高濃度の歯磨き粉を毎日適量に正しく使っていくことは虫歯予防のセルフケアにはお勧めですが、フッ素ジェル等の塗布剤を毎日使うことはNGです。
フッ素ジェルは更に高濃度で、飲み込む量が毎日蓄積されると大変危険だからです。
それに、塗りすぎによる副作用で、エナメル質の形成不全のリスクもからんできます。
しかし、オフィスケアでもセルフケアでも、フッ素塗布は3~6か月おきには定期的に行わないと効果は出ません。
一番確実に効果が出るのは、1か月おきです。
そのため、当院では治療が一段落終わった患者さん方に1か月おきのメンテナンスで来院いただき、15歳以下のお子さんや、歯肉退縮により歯根が露出されてるご高齢の患者さん方には特に、ブラッシング指導や機械的歯面清掃を行った後は必ずフッ素塗布を行っております。
そして、フッ素を塗布した後は30分飲食やうがいを控えると、より効果が出やすくなります。
次に、1450ppmのフッ素濃度の歯磨き粉をいくつか紹介していきます。
➀ クリニカ(トータルケア)
虫歯予防・殺菌・歯垢除去の3つの効果あり。
➁ シュミテクト
虫歯予防に加え、知覚過敏で歯がしみるのも防ぐ。
➂ ガム
虫歯予防に加え、歯肉の血行を良くし、口臭予防の効能もある。
➃ システマ
虫歯予防に加え、歯肉の活性化・出血予防・歯石沈着予防・口臭予防・知覚過敏予防等の多様効果あり。
1450ppmの歯磨き粉は、フッ素が高濃度なので、6歳未満のお子さん方は控えなければなりません。
歯磨き粉でホームケアするより、3~6か月おきに歯科医院でオフィスケアの元、フッ素を塗ってもらう方が安心です。
6歳以上のお子さん方にお勧めしたいホームケア用の歯磨き粉が、check-upという歯磨き粉で、こちらも1450ppmの高濃度なので、使用法に注意が必要です。
1日に1回、就寝前だけ使用し、30秒間磨いて洗口は一度だけです。
その他ホームケアには、洗口液を使用する方法も1つ考えられますが、フッ素コートについてもご紹介させていただきます。
<<注意点>>
★ 1日に1回以上使用しない。
★ 6歳以下のお子さんは使用しない。
★ 必ず付属の計量カップを使用し、一回量で全部口に含む。
★ ガラガラうがいではなく、ブクブクうがいをする。
★ 30秒から1分間口に含めて歯全体にいきわたるようにブクブクうがいをする。
★ 誤って飲用し、嘔吐・腹痛・下痢などの症状が表れた場合、牛乳をコップ1~2杯飲めば消化器症状を和らげることはできますが、その後は必ず医師にご相談ください。
※1mlに含まれるフッ化ナトリウムの容量は、0.5gです。