詰め物・被せ物が外れたらすぐにご予約を!
一度詰め物・被せ物がお口に入ったら一生使えると思っていませんか?
「形のあるものはやがて壊れる」と言いますが、お口の中に入った人工物も一生ものではありません。
毎食ごとに酷使されております。お茶を飲むと40度にお口の中はなり、アイスクリームを食べると0度近くになります。
また、硬い物や粘着性な物をたべると外れたり、壊れたりすることもあります。特に金属製のものは外れやすい傾向があります。また、最近よく使用させるようになった合成樹脂は、強度がなく破折の傾向があります。
お口の中は、詰め物・被せ物には、厳しい環境です。
①噛むことで、歯に対して繰り返し力が加わります。
それによってセメントの劣化や詰め物・被せ物の破損、歯の破折などが起こることがあります。
②お口の中では、だ液が分泌されています。
セメントは性質上、水分に弱いです。
③むし歯の原因となる細菌が、歯と詰め物、被せ物のすき間から入り込んで、虫歯になる事があります。
虫歯が進行すると菌が溶けて穴があくため、詰め物・被せ物が合わなくなります。
詰め物・被せ物が外れてしまう主な原因は以上の
セメントの溶け出し、虫歯、詰め物・被せ物の破損・歯の破折の4つです。
詰め物、被せ物は外れたらすぐに処置を受けることも重要です。
その理由は、
①セメントが溶け出しただけであれば、歯質が感染しておらず、外れた物を付けなおすことができる場合があります。
②外れてできたすき間に周りの歯が動いてきたり、隣の歯との距離が変わってしまう事が良くあります。また、むし歯で溶けたり、歯が欠けることで、形が変わることもあります。
③詰め物の治療では、歯を削っているために歯が薄くなっているはずです。そのために歯の残存部位が少なくなり、歯自体の耐久性が弱まっています。
④歯の内部(象牙質)元々むし歯になりやすいのですが、その部分を覆っていた詰め物や被せ物がなくなってしまうと、よりむし歯のリスクが高まります。
⑤詰め物、被せ物が外れただけならまだ良いですが、むし歯が原因で外れたり、ときに歯の根にヒビが入って外れてしまうことがあります。
そのままにしておくと、むし歯の範囲が広がることがあります。
⑥大きな被せ物が外れた場合、周りの歯の移動量が大きくなり、かみ合わせにまで影響が及ぶ事があります。
詰め物や被せ物が外れたら、早めに歯科受診をしてほしいですが。予約が取れなかったり、仕事、学校などで難しいこともあると思います。
特に気をつけてほしいことは、
①詰め物、被せ物が外れた歯はもろく折れやすくなっているため、その場で固いものを噛むのはなるべく控えるようにしましょう。
②詰め物・被せ物が外れた状態ではむし歯が進行しやすいため、歯に汚れが残らないように気をつけましょう。
但し、歯が割れたりしないように歯ブラシを強く当てるのは避けましょう。
フッ素配合歯みがき剤を使用することも重要です。
③外れた詰め物、被せ物は、捨てずに歯科医院へ持ってきてください。
もしかしたら付けなおせるかものしれませんし、外れた原因も分かり易くなります。外れた詰め物、被せ物の内面や、外れた歯面を診る事によって
何が原因で外れたかが良くわかる場合があります。
④まれに市販の接着剤でくっつけてくる方もいますが、絶対にやめてください。
正確に元の位置に、詰め物、被せ物が戻っている場合は少ないです。また、それを修正するのに処置が増えます。
また、体内への害は、もちろんですが、それ以前に歯科専用の接着剤以外では、だ液があるために絶対にくっつきません。
仮にご自分でつけようとすると、来院時に接着剤を取る工程が増えて、処置に時間が掛かってしまします。
そのまま持参してください。