災害時の非常用品、備蓄品、お口のケア用品よる口腔内健康維持
突然に起こる災害、もしもの災害に備えて、非常用持出袋や被災時の備蓄はしていますでしょうか?
日頃からどのような物を用意しておくべきさか、忘れがちな「お口のケア用品」についても確認することが大事です。
災害には自然災害と人為災害があります。
自然災害は、台風、豪雨、地震、津波、火山噴火、雪害、竜巻、高潮、落雷などです。
人的災害は、火災、爆発、事故、テロなどがあります。
災害に備えて何をそろえておくと良いでしょうか?
非常用持出袋
タオル、着替え、飲料水、加熱がいらない食糧、ラップ、紙コップ、懐中電灯、携帯ラジオ、充電器、
マッチ、ライター、ろうそく、眼鏡、補聴器、新聞紙、ポリ袋、
トイレットペーパー、テッシュペーパー、ハサミ、雨具、預金通帳、印鑑、ガムテープ、軍手などです。
非常用備蓄
飲料水、食料(レトルト、缶詰など)、ポリ袋、簡易トイレ、ペーパー類、毛布、レジャーシート、使い捨てカイロ、カセットコンロ、調理用品(鍋、箸)などです。
いつも携帯する物
家の鍵、車の鍵、財布、健康保険証(マイナンバーカード)携帯電話、ポケットティッシュ、薬、ハンカチ、笛、鈴などです。
★ 1年に1回は消費期限などを確認しましょう。
★ 両手が自由に使えるリュックサックに入れて、取り出しやすい所に置きましょう。
★ 危険を感じたら、そのまま避難する事を優先しましょう。
お口や入れ歯のケア用品
歯ブラシ・デンタルフロス・歯間ブラシ・液体ハミガキ・入れ歯ケース・入れ歯洗浄剤
★ 液体歯みがきは水を使わずに歯みがきができるように作られています。
ペーストタイプの歯磨き粉と違い、歯ブラシにつけるのではなく、まず、お口を漱いで液体をいきわたわせてから、歯ブラシでみがきます。
避難所では水が貴重なためです。
★ 避難所では、入れ歯を紛失したり、誰かに踏まれてしまうのを避けるために、保管用のケースも忘れずに準備しておきましょう。
災害関連死について
「災害関連死」という言葉を耳にした事がある方も多いと思いますが,言葉のとおり災害が関連する死の事です。
循環器系疾患や脳梗塞など原因はさまざまです。
しかし、その原因のうちでもっとも多いのが、肺炎をはじめとした呼吸器系疾患です。
これには「誤嚥性肺炎」が大きく関わっていると考えらています。
誤嚥性肺炎とは、唾液と食べ物などが誤って気管に入り、それに含まれる細胞によって引き起こされる肺炎の事です。
お口の中の細胞が肺へと入り込むことで起こるため、予防にはお口の中が清潔であることが重要になります。
しかし、水が不足しがちな被災地では歯みがきや入れ歯のケアが十分できずに、お口の中の細菌が繁殖しやすくなります。
健康な方は、細菌を誤嚥したとしても、必ずしも誤嚥性肺炎を発生するわけではありません。
避難所生活など、被災時は体力が落ち、免疫機能も低下しやすくなります。
そのために、特に高齢のかたは、誤嚥性肺炎になるリスクが高まります。
ですから、お口のケア用品を袋に入れてお口を清潔にできるようにしましょう。
長中期の視点では、避難所での生活が長期化していく事も考えておく必要があります。
避難生活が長中期化すると、歯科医院への通院もない状態が続く事を意味しております。
歯科医院では、虫歯、歯周病等のチェックを行い、問題があれば、早期に治療する早期発見早期治療をおこない、病気の重症化を防ぐ事ができます。
また、衛生士による口腔衛生指導や、お口のクリーニング、フッ素使用による虫歯予防等が可能です。
このようなサポートが中長期的にできない状況にある場合の対応としては、歯科医師会からの歯科医師・歯科衛生士の臨時派遣して、
避難所での口腔ケアを少しでも維持、充実していく事も重要です。