顎関節症について
光合成によってエネルギーをつくりだせる植物とは違い、私たち人間は食べることを通じて外からエネルギーを取り込んでいます。様々な食物を摂取する人間は、噛むという行為が高度に進化しています。食物を取り込み、引き裂くための前歯や犬歯、そのあと細かくすりつぶすための臼歯など、役割が細かく分担されています。噛むということは、その歯と、歯を支える骨格、骨格を上下左右に動かすための筋肉などが連動することで行われているのです。
そのため、生まれつき歯並びが悪い場合や、歯が抜けたり動いたりして、かみ合わせが大きく変わってしまった場合の影響は、単に噛みにくいということにとどまらず、顔の歪みや、肩こり、頭痛など様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
顎関節症とは
顎関節症には、口が開けにくい、口を大きく開けようとすると痛みがある、口を開け閉めする際にカクンとした音が鳴るなどの症状があります。
顎関節症の状態
耳の穴の少し前の部分にある顎関節という部分を介して、上顎の歯と下顎の歯はつながっています。この関節の中には関節円板というクッションがあり、上下の顎の骨が直接こすれないようにする役割を果たしています。
この関節円板が前方にずれて変形すると下顎の骨がひっかかり、はずれて前に出る時にカクンと音が鳴ります。また、関節円板がさらに大きく変形すると、ひっかかった下顎の骨が前に出られないため、口を大きく開けることができなくなります。
顎関節症の原因
様々な要因が重なり、関節や筋肉の耐久性をこえた時に症状が出ると考えられています。かみ合わせの悪さや歯ぎしり、他にも寝るときの体勢や普段の癖(頬杖、下顎を前方につきだす癖等)などがあります。
歯並び
歯を失くした状態のまま放置したことでかみ合わせが悪くなる場合があります。歯は、両隣の歯や噛みあっている歯、舌や頬によってバランスを保ち、その位置にとどまっています。そのため歯が抜けた状態を放っておくと、空いたスペースに隣の歯が倒れこんだり、上の歯が伸びてきてかみ合わせが悪くなります。
歯ぎしり
ストレスやかみ合わせなどが原因でする歯ぎしりは、歯や歯の周辺の損傷を引き起こすことがあります。歯ぎしりは通常の咀嚼時にかむ力の、数倍から十数倍の相当する力がかかるといわれています。この力が持続的に加わると、歯の摩耗や破折、肩こりや顎関節症など様々な症状がでます。
顎関節症の治療
顎関節症の検査は、問診やレントゲン、開口度の診査などを行います。一般的にはマウスピースを作成し、歯ぎしりや食いしばりで生じる顎関節や筋肉への負担を減らします。口腔内の状態は患者さん1人1人異なりますので、ぜびお気軽にご来院の上、ご相談ください。