着色と虫歯や歯周病の関連性はあるのですか?
歯に沈着する着色やヤニは、歯ブラシで落とすことは出来ません。
現在、当院でも歯の着色に悩まされる方が多くみられ、メンテナンスやブラッシング指導を受けに来られる患者様方には、機械的歯面清掃でクリーニングさせていただいてます。
では、着色の予防対策として何をすればよいのか、着色とヤニは虫歯や歯周病に直接関連性があるのかを今から解説していきたいと思います。
1,着色の原因
着色とは、歯の表面に色素が沈着して歯ブラシでは落とせなくなるステインです。
その色素が含まれる飲食物を下記に挙げていきます。
➀ ソース、ケチャップ、醤油等色素の強い調味料
➁ チョコレートや飴等色素の強いスナック菓子
➂ 柑橘類やスポーツドリンク、炭酸飲料、お酢等酸性度の強いもの
➃ タバコのヤニ
⑤ コーヒーやお茶のシブ
⑥ お口の中の乾燥
2,着色と虫歯・歯周病の関連性
着色やヤニや茶渋は、虫歯や歯周病直接的な原因にはつながりません。
ただ、これらの色素が歯の表面に停滞することにより、プラークやバイオフィルム等の虫歯菌や歯周菌が集結し、繁殖しやすくなります。
元々歯の表面は、ペリクルという膜に覆われており、色素がその膜に沈着することにより着色につながります。
3,着色の予防対策
上記に挙げた飲食類を頻繁に摂取されてる方でも、喫煙されてる方でも、口腔内を清潔に保ってる方は心配ありません。 着色を予防することは、虫歯や歯周病を予防することにもつながります。
そして飲食物や喫煙以外にも、もう一つの要因として、お口の中の乾燥があげられます。
唾液にはお口の中をある程度洗い流す自浄作用があるのですが、お口の中が乾燥すると、唾液がお口全体にいきわたりにくくなり、自浄作用の効能が落ちてしまうため、着色汚れも歯石も蓄積されやすくなります。
唾液の出方にもそれぞれ個人差がありますが、一番お口の中が乾燥しやすい習癖は、口呼吸と言われるお口で呼吸をすることです。
口呼吸をすることでお口の中にどんどん空気が入り、乾燥し、唾液による自浄作用が効かなくなるため、着色などの汚れを予防するためにはなるべく鼻呼吸を心がけなければなりません。
それから、就寝時にはマスクをしながら寝ることも効率的です。
あとは、歯磨きももちろんですが、出来るだけお茶やコーヒーを飲んだ後や間食をした後は何度かうがいをしてみてください。
4,着色と虫歯見分け方
最後にステインによる着色と、虫歯による着色の見分け方についてご紹介していきます。
まずは、痛みや違和感を意識してみましょう。
ステインによる着色は茶褐色ですが、虫歯はある程度進行すると黒褐色になり、冷たいものや熱いものがしみたり、場合によっては甘いものや酸っぱいものがしみることや物を噛んだ時にズキズキした痛みが生じることがあります。
そして、あまり進行すると痛みも感じなくはなりますが、そのころには歯が一部欠けてしまいます。
初期症状で痛みがない時には、着色部分の周辺が白く濁ってないか、またブラッシング等で表面層が削れてこないかでも見分けがつきます。
白く濁ってたり、表面層が削れてくる兆候が見られれば、それは虫歯による着色なので、早めの処置が必要です。
虫歯とステイン以外にも、詰め物の劣化による辺縁の着色も生じますが、前歯であれば見た目も気になりかねませんし、そこから虫歯へと進行する可能性も考えられます。
お手入れが行き届いてない方は、詰め物をされてから早くて2,3年で劣化して辺縁が変色することがあるので、その場合新たに詰め物の治療をやり直していく必要があります。
いずれにしても着色はホームケアでは落とせないので、まずは歯科で診察を受けることが必要です。
虫歯がステインによる着色や歯石に隠れてることも考えられるので、当院では基本歯石やステインを除去してから虫歯の検診を受けることをお勧めしてます。