だ液のチカラ①
だ液のチカラについて
だ液は生れた時から常に口の中にあります。あまりにも身近すぎてその存在を意識することもなっかたかもしれませんが、当たり前に感じていたその「だ液」が人間の健康にとって非常に重要な役割を果たしていることが最近の様々な研究によって明らかになってきました。
ネバネバだ液とサラサラだ液
だ液が造られるだ液腺は口腔内には複数あります。そこからだ液腺導管を通って口腔内に分泌されます。だ液腺には「耳下腺」、「顎下腺」、「舌下腺」と呼ばれる三大だ液腺と、唇の裏や上あごに多数分布する「小だ液腺」があります。それぞれの部位から分泌されるだ液にネバネバだ液とサラサラだ液の2種類があります。
耳下腺→サラサラ 顎下腺→サラサラ・ネバネバ(混合腺) 舌下腺→ネバネバ
異なるだ液の特性
ネバネバだ液(粘液性だ液)とサラサラだ液(漿液性だ液)はそれぞれ異なった成分・働きを持っています。食事時など刺激を受けたときに分泌されるだ液(反射だ液)とそうでないときのだ液(安静時だ液)ではネバネバとサラサラの割合が異なり、反射だ液では安静時だ液に比べてサラサラの割合が多くなります。
ネバネバだ液〔粘液性だ液〕侵入してくる細菌と戦い、健康を守る
ネバネバだ液の分泌は、主に交感神経によってコントロールされているため、緊張状態やイライラしている時に分泌されやすい特徴があります。会議や人前での発表など強いストレスを感じるときに口の中がネバつくのもこの働きによっておきます。ネバネバだ液には納豆やオクラなどにも含まれているムチンというネバネバ成分が含まれており、この成分は、細菌を絡めとり体内への侵入を防ぐほか、口腔内の粘膜を覆うことにより粘膜が傷つくことを防いだり、粘膜の保湿を行うなどの作用があります。
サラサラだ液〔漿液性だ液〕消化吸収を助け、体内の働きをサポート
だ液の分泌は自律神経によってコントロールされており、サラサラだ液は主に副交感神経のコントロール下にあります。そのため、リラックスしている時に分泌されやすいので、緊張状態やイライラしていると分泌されにくいという特徴があります。また、このだ液は食事時に多くされるので、だ液アミラーゼなどの消化酵素が多く含まれると共に、食べ物を湿らせて飲み込みやすくする、口腔内を洗浄して中性に保つ性質があります。
*だ液の分泌量→→だ液の原料である血液は男性で約4ℓ、女性で約3.7ℓが体内を循環しています。それに対して1日に分泌されるだ液の量は通常0.5~1.5ℓといわれ、口の中には常にだ液が2~3㎖存在しています。